ギャラリーフェイク 細野不二彦


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元メトロポリタン美術館のキュレイター(学芸員)の藤田が経営するギャラリーフェイクは表向きは贋作専門のギャラリーだが裏では訳ありの高価な真作も扱っている。様々な美術界の裏表を描いた物語。
一口で言うと業界薀蓄まんが。といっても人間ドラマも魅せる内容になっています。主人公のフジタは汚い仕事をするということで業界では鼻つまみものですが美の造詣が深く、また芸術の信望者でもある人物、という設定です。その知識の範囲は、絵画のみならず、像、建築物、はてはオルゴールや時計と多岐に及びます。文庫本のあとがきを見る限りでは専門家が見てもかなり正確で深い薀蓄が展開されているようです。
青年誌の業界漫画独特のノリに慣れるのにちょっと時間がかかりましたがじっくり読むほどに面白くなっていきました。しかし久しぶりに作者の絵を見たらかなり線が荒くなっていてびっくりしました。描き込みはすごいと思いましたけど。

細野不二彦
ビッグコミック全1~巻/小学館文庫/小学館
ジャンル:青年・業界 / 好み度:★★★★★