オーミ先生の微熱 河内遙

Amazon
オーミ先生の微熱をAmazonで見る

片恋をしていた親友に告白できぬまま高校を卒業し、数年後母校の教師になった青年・近江司。彼は受け持つクラスに親友の親戚で親友そっくりの男子生徒と出会う。
えーと主人公はへタレ属性で同性愛(というか好きな相手が親友)の新米教師。主人公と彼の出会う生徒の問題をけっこう体当たりで解決していく展開と、主人公を含めた恋愛模様の描写が基軸となっている模様。教師物語と片道通行の恋愛模様を描いた学園コメディといったとこか。
思春期の生徒の悩みとか、家庭の事情などで不登校ナ生徒の話とか、昔の青春モノかというくらいのコテコテな展開もありますがなぜか臭さを感じさせない妙。
恋愛サイドでは、主人公の片恋の相手の親戚であり相手にそっくりの男子生徒に、報われぬそして告げなかった恋を思い出す主人公。男子生徒には好かれたいけど男子生徒はいたってノーマルで、新任の女性教諭が好き、でも女性教諭は主人公に好意をもっていたりといろいろ絡み合っています。
様々な悩みに悶々とする主人公に総てを知って相談に乗る女性の友人との会話も物語のポイントかな。理解者というかなんでも話せる相手がいて相談するという要素があるのは、読む側にとっては親切設計なのかな。1つの事柄における視点が広かるから。
他作品でも言えるけど著者の描く人物はほんとうに中身が詰まってるなあという印象。良く動くし共感を感じたり意外に感じたりと「人間」を堪能できるというか。
それにしても不器用でまっすぐな教師ってのはそれだけでファンタジーかもしれない。

河内遙
ビッグコミックス1巻 / 小学館
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★☆☆