スマートフォンを使いこなす現代の「トイレの花子さん」が出会う霊や人間たちとの交流の物語。
主人公は現代のトイレの花子さん。たぶん幽霊。特定のトイレに住み着く存在ではなく、トイレならどこでも存在できる設定。電柱も動物のマーキングなどに使われるため行動範囲内というのは物語の枠を広げるのになかなかうまい手段ですな。
物語は、花子さんがなにかしらの問題を抱える人や幽霊と出会いそれなりに解決するという構成かな。花子さんと出会う対象のドラマが物語の基軸であり、花子さんは狂言回し的役割といったところか。花子さんのキャラは茫洋というかゆるめというか、なんとなーく話を聞いたり何にひっかかってるのか聞いてみたりみたいなかんじ。花子さんが関わるのは、自殺とか死んだ要因がわからないとかで地上に留まった幽霊や、ワケありな人間など様々でそのオチも多種多様。
ホラー＆ドラマな話、SFショートショート的な構成は緻密で素直に面白く、そしてせつなく。原作者らしい哲学的な内容と作画担当の可愛らしい絵柄とさりげない演出がうまいことあってるなあという印象。
原作：施川ユウキ / 漫画：秋★枝
CRコミックス全２巻 / ジャイブ
ジャンル：少年・コメディドラマ / 好み度：★★★★☆