サボテンの娘 桐原いづみ

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昭和60年の片田舎が舞台。サボテンに傾倒した父、祖父母、母、こども三人の三世代家族農家の長女をはじめとした日常を綴った物語。
物語の舞台は昭和60年の片田舎。主人公は三世代の農家の家の長女。彼女の父はサボテンに傾倒し、庭には大小様々なサボテンが植わっている。ご近所でも有名でサボテンにまつわるあだ名をつけられたりする。それがいやでたまらない主人公。
昭和時代の田舎の暮らしを描いた話、というかんじ。中年くらいで地方住みの経験がある人には、懐かしいというか、あるあるじゃなくあったあった、みたいな共感を覚えるエピソードもあるんじゃなかろうか。
あの時代の農家の多い地方の、独特ののんびりさとせわしなさ。サボテンが話のキーアイテムなんだろうけど、話の主軸に置いているようで中心に据えていないという感じ。でもそれがあって話が引き締まっている印象もある。このあたり絶妙だなと思う。
主人公の少女の漠然とした不満の描写は良く出ている。二話目で母親の視点というかタイムスケジュールのエピソードがあるが農家の嫁はほんと大変だ・・。こどもはおとなの事情関係なくかまってほしいわな~と、両方の気持ちがなんとなく共感できてしまう。

桐原いづみ
アクションコミックス全3巻 / 双葉社
ジャンル:青年・日常ドラマコメディ / 好み度:★★★☆☆