内向的な性格の佳織と幼なじみで８つ年上の青年・圭。彼らの恋愛模様や各々の人間としての成長をゆるやかに描いたセンシティブでちょっとコメディが入った物語。
内向的な性格の佳織は、断られること前提で８つ年上の幼馴染の青年・圭に告白をする。佳織の予想に反し圭はそれを了承する。佳織は地元の学生、圭は都会で働くサラリーマンということで遠距離の恋人同士になる。圭に会いに佳織が赴き、お互い食べることが大好きということで会えばおいしい食事とともにするというパターンのつきあい。そうしているうちに、佳織は圭に対し淡い初恋の気持ちから本格的な愛情を抱く自分にとまどうといった展開。
恋する女性の揺れる心情てのが主題だと思うのですが、それは恋愛関係のことだけでなく、恋愛抜きの観点で相手に見合うくらいにしっかりとした人間になりたいという望みや相手に対し思うところを悩んだり。
著者といえばけだるげで濃密なモノローグが特徴ですが、このタイトルはコメディなノリのエピソードが多いかな。テンポがいいというか読んでいて素直に楽しいと感じました。基本的に相性のいい２人の恋愛模様だから割と安定して読めるからというのもあるかも。
佳織にとってすごく出来た人間である圭のようになりたいとがんばる様、その圭も困った面があるという新しい発見に和む様がとても愛おしいです。圭の、たまに人の話を聞かずにちゃっちゃと話を進める悪な部分もなんかいい（笑）
特にウケたのは、告白以後に佳織が圭を好きになったという事実を知った圭の反応と、圭の手が冷たいのは単に冷え性をいうことを知った佳織の反応かな。こういうのを見ると恋愛は誤解と勘違いと思い込みでできているんだなあと実感しますよ（笑）
恋愛物語と成長物語を両方楽しめる読み応えのあるタイトルでした。１巻という尺もいい。
2015年に白泉社（楽園コミックス）から完全版が出ました。あと主人公が九月病の登場人物の妹というのを完全版から知りました・・・。
シギサワカヤ / 白泉社 全１巻
ジャンル：恋愛・女性 / 好み度：★★★★★おすすめ
読み終えて気がついたのですが佳織はおいしいもの大好き（圭もですが）ということで体型はちょっとぽっちゃりという設定だったのか・・と。ぽっちゃりというかグラマーなのか。そういやウエストラインが隠せる服ばかりだったな・；顔がシャープだから気がつかなかったよ。ダイエットがどーのと言ってたのにね（汗）