人外の生き物が見えるなどの異能と魔法体質ゆえに周囲に疎まれていた天涯孤独の少女は魔法使いたちのオークションの品となり、稀代かつ異形の魔法使いに落札される。
どんな待遇かと思ってみれば異形の魔法使いの弟子となることになる。そしてゆくゆくは嫁にという告白も。ほぼ自暴自棄的な心情で買われた、とはいえ見慣れぬ（ある意味見慣れてはいるが）出来事に戸惑いつつも魔法使いの言うことを聞き共に暮らし始める。
妖精などの不思議な存在を見聞きでき、彼らに愛される特殊な体質の主人公は、師匠の元で魔法を学ぶ。基本的に日常的な共同生活と魔法の鍛錬を軸としているが、自宅での修行とかいかにもな修行風景ではなく、しょっぱなからいろいろな場所に向かい、そこで主人公は魔法や世界を知る、という展開。ゆったりと進み、一辺倒でない、自然と作品の世界観を読み手に引き込みじんわりと伝えてくる構成は見事。絵柄も可愛らしくも万人向けで緻密な、明暗と濃淡のバランスが絶妙です。
魔法が存在するファンタジーですが主人公は日本人で舞台は英国と現実世界設定でもありそのさじ加減がまた良い。主人公の師匠となる魔法使いは見た目通り人外。主人公への嫁発言など人間のほとんどが持つ心情というか考えとはちょーっとズレているところがあり、師弟関係ではあるが夫婦関係のように双方補い合う関係性が展開されていくのかなーと。
ヤマザキコレ
ブレイドコミックス１～ / マッグガーデン
ジャンル：少年・ファンタジー / 好み度：★★★★★