西欧系の架空の国が舞台。王政で13の区に分かれており、地方自治制のため各々の区が区内を治めているのだが、唯一の統一組織ACCAが存在する。ACCA内にある、各地区を視察する監察課に所属する青年が主人公。
のんびりした雰囲気の部署で主人公当人もお気楽そうな雰囲気。ただどこで手に入れるのか国内では貴重で高価なたばこを愛用することからの異名がつくほどに、食えないキャラとして認識されている。
いわゆる昼行灯だが無能ではなくむしろ切れ者で、冒頭ではその能力を視察先で発揮する展開に。そういう話なのかと思ったら主人公の周りで様々な面々による各々の思惑から彼を監視したり接触したりといった流れになっていく。その思惑とは、主人公が政治的な面での画策をしている疑念とか、現国王の退陣とか後継問題に絡むこととかいろいろあるようで。
1巻の段階では、主人公がなにか腹に持っているのかもしくは隠していることがあるのか、周囲が勘違いで盛り上がっているだけなのか、それとも主人公のあずかり知らぬところで重要な立ち位置になっているのか、いろいろ想像され、続きが読みたくなる構成。
主人公のモノローグはほとんどなく、あっても雲をつかむような描写ばかり。そのへんでも主人公のある種の未知による格好よさが演出されているように思う。
オノ・ナツメ
ビッグガンガンコミックススーパー全6巻 / スクウェアエニックス
ジャンル:青年・サスペンス・ドラマ / 好み度:★★★★★