著者の幼少の頃、身内にいたヤクザのおじさんとの思い出を綴った4コマエッセイ。
著者には親戚に数人ヤクザの人がいるそうですが、メインで登場するのはすでに他界したおじさん。幼少の著者をとても可愛がっており両親が忙しいときよく遊びに連れて行ってもらった思い出などが語られています。
ヤクザのおじさんの知られざる生活や仕事内容を、幼少の著者の視点で描かれているところがミソ。大人になった今の視点と幼児である当時の視点の違いとか、世界を知らないが故の無邪気なこどもの感想が興味深いところ。
世間では恐いおじさんでも幼少の著者にとっては優しいおじさんであり、大阪という舞台もあってかなんか新喜劇を見ているようなノリ。おじさんの行動は客観的に見るとやっぱりこわーいですが。あと、巷で言われている(昔の)ヤクザさんの行動って本当にそのままなんだなあと思うネタが多かったかな。イメージ通りじゃないところもありましたが、理由を見るとなるほどと納得。
愛情を持っておじさんのキャラを描いているからか、事柄自体とおじさんの持つイメージとのギャップも見所か。可愛い絵柄による牧歌的な雰囲気、おじさんの強面ながら著者が可愛くて仕方がない笑みを思わせるキャラデザも印象的でした。
カツピロ
バンブーエッセイセレクション4巻 / 竹書房
ジャンル:エッセイ・4コマ / 好み度:★★★★★