巨大海底プラントを舞台にした密室サスペンスホラー。
自社が中国外資に買収されるが会社にそのまま残ることに決めた会社員の主人公。配属されたのは3年前に事故により一度止められていた深海6000mの住居型の巨大海底施設で、その再稼動を行うのが主人公の仕事。
しかしその施設に入るや、仕事のパートナーとなるはずだった元同僚は傷を追い運ばれていく様と鉢合わせになり動揺する。また職場の情報は少ないわ、上司や社員たちに貶められたり謂れの無い質問をされ失望されるわと憤りを隠せないことが続く。
職場の雰囲気が悪いことや環境が歪なのはどうも過去の事故が現在の状況に絡んでいるようで、しかも理屈で割り切れない現象も続いたりという、密室状態におけるホラーチックなサスペンスと人間心理が描かれている模様。
得体の知れない脅威が施設内にあるのは確実ながら、どういう設定なのかは不明。ホラーというかゾンビ的なものが徘徊しているけれどそれは未知のものなのか変異した人間なのか、本当の脅威は目に見えるものかそれとも。
この手の話は状況が明確に見えてしまうと物語的にはほぼ終盤なわけで途中をいかに演出するかが鍵。その点では悪くはないが良くもないといったかんじ。興味がそそられるつくりではありますが。
企業側の都合ってのも絡んでるんだろうな。なんとなくLILY-CATを思い出した(古)。
小池ノクト
バーズコミックス全4巻 / 幻冬舎コミックス
ジャンル:青年・サスペンス/ 好み度:★★★☆☆