舞台は現代社会。なのだがその世界では人間は、肉体を損壊され殺されても数秒後には肉体は修復し生き返る。元からではなく、かつて死ぬ生き物だったのだが現在は不死ということらしい。
物語の登場人物たちは犯罪者を追う刑事達。死んでも生き返るので銃を撃ちまくり一度殺して捕まえるというパターンらしく敵も味方もスプラッタな現場。一度死んでもケロリと生き返り軽口をたたくシーンはシュール。
だがそんな世界で、ある病に罹患した者は死んだら生き返らず、死ぬ人間となってしまうという異変が起こっており、メインキャラの無骨な男性刑事の妹がその病で死亡、同僚の年老いた刑事とチャラ系刑事と共に病をばらまく人物を捕まえようとする。
そして警察内には地味で無口で有能な女性職員がおり、彼女が物語の主人公でありヒロイン。病をばらまく組織に属し、警察内で情報を収集、捕まえようとする刑事たちの裏をかいて戦闘、犯人を逃がす役割を担っている。
そして彼女は組織の長から、事件を追う刑事を殺せと命令されるのだが・・という展開に。病の罹患ルートは、死なない人間が死ぬ人間を愛すること、という設定が興味深い。
現代社会が舞台設定なのに妙にSFな設定に違和感を覚えるが、後々どういうことかわかってくる。絵面は設定上なかなかにハード。「不死」の設定と謎と伏線は見事だしアクションもドラマも様々な演出も絶妙で目が離せない。作画もクオリティが高く、しっかりした線画と安定したデッサン力で見応えがある。グロ表現が苦手でなければおすすめ。
続シリーズというか主人公を変えて同じ世界観での別シリーズ?不死の稜線が発表されています。
八十八良
不死の猟犬 / ビームコミックスハルタ6巻
不死の稜線 / ビームコミックスハルタ
エンターブレイン
ジャンル:青年・アクション・SF・ドラマ / 好み度:★★★★★