くだみみの猫 中山幸

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この話では巫女という魔物を祓う能力を持つ人間が存在し、巫女はパートーナーとも言える式神がいる。巫女は言霊という名の特定の文言を式神に発し、式神は言霊により力を得る、つまり巫女が式神を使役して魔を祓うという構図。
それを踏まえて、主人公の少女も巫女。なのだが災厄をもたらすというクダの耳が生えたため、人目を避け引きこもり生活を続けてきたが、その状況を打開するため、診療所という名の施設に向かう。主人公は、その施設で巫女としての段階を高め、巫女として働き、自分の中のクダを祓おうという目的がわかる。
完璧に快適な住環境、特殊な存在とのバディ活動、主人公と同じ境遇のコンビたちとの共同生活といった設定のいくつかには他作品を彷彿とさせるのは否めないが、個人的にはさほど気にならないというか、そういう定型なのだと思えば違和感はなかった。
主人公と式神の男性の関係は、引きこもり時代からずっと一緒、式神はやたら主人公をいろんな意味で縛りたがる、ので式神の力(やる気といっていいかも)を引き出すのは、自分を拘束して良いと言うことという・・。
契約により式神が主人公にいろんな衣装を着せ、顔を真っ赤にしてあたふたする主人公を堪能するというマニアックな図式ができている。主人公の難儀さを鑑みればあ個人的にはまり好ましくないパターンなのだがこの場合は可愛いなあという感想。まあ羞恥といってもバカップルのプレイぽいからなのだろうか。うーん上手く言えない。
同居コンビと仲良くなったり学校に通ったりと危なっかしいけど楽しい学園生活と、巫女としての退魔の仕事と成長を描きつつ、クダ耳に関わる伏線や、頻繁に発生する魔の元凶も登場する。構成は悪くない。個人的には絵柄やキャラ描写が愛らしく好みだった。

中山幸
MFコミックス アライブシリーズ1~ / メディアファクトリー
ジャンル:少年・ファンタジー / 好み度:★★★☆☆