ブラック・ジョーク 田口雅之 / 小池倫太郎

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アメリカ51番目の州、ニホン州東京市は全域で風俗営業を禁止するかわりにきぼう島(通称ネオン島)という特殊産業開放地区をつくる。博打・売春が合法の欲望渦巻くその島で日系娯楽施設TD温泉ホテルを運営する幹部とその用心棒たちの物語。
女性に持てるクールな主人公、愚直で怪力無双の肉体派の相棒、その相棒に懸想するゴスロリ暗殺者の女性、一癖も二癖もある彼らの上司、スーパーな車椅子技巧で敵を倒す半身不随のイタリアンマフィアと個性適すぎる面々によるクレイジーなハードボイルドアクションといったところか。帯にもありますがとにかくかっとんでいます。
暴力シーンもここまで突き抜けると現実味が薄くなりますね。人間業じゃないからか。
主人公側が罠にはめられて難儀ということはなくそうなってもあくまでクールに面倒を処理していくスマートさが魅力か。涼しい顔をしてるけどその感覚がおかしいよと思う言動もフィクションならば笑えるコメディになりますよ。
これだけのグロテスクなシーンが多いのに嫌悪感を感じないのは、基本的に主人公側が外道ではないところと敵が愚かというか迂闊というかで同情の余地なしなキャラばかりで、わずらわしくやるせない人間描写が少なくエンタテイメントに徹した構成だからか
個人的にゴスロリ娘の純情一直線なエピソードが好きです。あと怪力男の家族構成とシンプルな思考もね。
全てCGだろうなという緻密で迫力のある作画がその魅力をさらに引き出している感じ。しかしやはりグロ描写を見慣れている人でないと読むのは控えたほうがいいかも;

シナリオ:小池倫太郎 / 漫画:田口雅之
ヤングチャンピオンコミックス1~ / 秋田書店
ジャンル:青年・ハードアクション / 好み度:★★★★☆