破妖の剣 松元陽 / 前田珠子

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ガンダル・アルスと呼ばれる世界。人間は魔性と呼ばれる存在に脅かされていた。人間にとって圧倒的な力を持つ魔性に対抗し得る唯一の存在は「浮城」に所属する特殊能力を有する者たちのみ。浮城に所属し魔性を切る破妖剣士であり、魔性と人間のハーフであるラエスリールの物語。
同名ファンタジーライトノベルシリーズのコミカライズ。めずらしく原作を読んでいるタイトルで、大まかな筋を知ったうえで読んでいる人間の感想になります。漫画化は2度目ですね。1度目はシリーズの中から特定のエピソードを描いた構成でしたが、今回ははじめから全部描くのかな。
2度目のコミカライズと聞いて2代目挿絵担当の人が描くのかと思いきやまた別の人でした。1回目のコミカライズでは初代挿絵担当が描いたのになあ。2代目の人はイラストレーターが本業なのかな。
原作のイメージとはとてもあっていると感じました。時々不安定になる主人公の心情描写などが特にイメージ通りかも。
うわすべりな印象があるものの、柔らかな絵柄による登場人物の表情、キャラ同士のやりとりや心情描写などメンタルな部分はうまいかな。逆にストーリーとしての組み立て・構成が稚拙な印象。あと1回目の漫画化作品を見ているがゆえに作画やデザインのレベルにちょっとがっかりなところも。紅蓮姫のデザインが簡素すぎ。もとからこんなんだったっけ?
原作が少女ものらしいメンタル描写の面とファンタジー活劇の面、2つの要素が主軸となっているので中々難しいところがあるのかな。
いろいろ言いましたが原作をなぞる漫画としてはまずまずの出来かと。

原作:前田珠子 / 漫画:松元陽
マーガレットコミックス4巻 / 集英社
ジャンル:少女・ファンタジー / 好み度:★★★☆☆