野心家の男爵の息子は、父親とともに震災直後の帝都にいた。そして我藍は、心臓が止まった状態で発見され直後息を吹き返し記憶を失った震災孤児ソラトを拾い、ソラトは男爵家に引き取られる。
時が経ち、我藍とソラト、そして巫女の家系からとられ我藍の花嫁として育てられた少女・清らは身分の差を感じさせない仲の良い関係だった。しかし成長した彼らの関係に変化が訪れ、またソラトと少女ノエラとの出会い、男爵が異能の者を配下とともに進めている恐怖の王を召喚するという計画により事態は思わぬ方向へ向かう。
登場人物が多く物語においてどういう役どころになるのか見えない構成、ややこしくもせつない人間関係、友情・裏切り・疎外感・悲哀・憎悪・エゴといった人の持つ激しい心情の描写が読み手を惹きつけるオカルトファンタジー。
否が応でもドラマチックに展開されそうな2つの心を持つ物語の要となる少女や主人公の設定、恋愛を含めた人間模様が気になるところ。1巻目は大正時代あたりの話ですが2巻目以降は舞台を現代に移す模様。
同じタイプの著者の作品より物語が把握しやすい内容だったのが個人的に良。
由貴香織里
KC×ARIA全6巻 / 講談社
ジャンル:少女・ダークアクション / 好み度:★★★☆☆