曇天に笑う シリーズ 唐々煙

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明治政府が樹立されて間もない日本。変革の時代、文明開化華やぐ一方で新政府に不満を持つ人間も多かった。その対策として政府が作ったのは重犯罪者の住処とする監獄。琵琶湖の真ん中に建てられたそれは犯罪者にとって煉獄の地。その渡し守である曇家の3兄弟と居候の青年の物語。
しっかり者の長男、血気盛んな次男、愛らしい風貌の三男は、獄門所へ犯罪者たちの橋渡しを行い脱走した犯罪者たちを捕らえる役目を担うという設定。いわゆる時代活劇ものなのかな。歌舞伎服をアレンジしたような服装のイケメンによる犯罪者狩りというスタイリッシュでソウルフルなアクション。黒白はっきりした画面構成とそこはかとなく雅な絵柄、ドラマチックな演出。ダークな雰囲気と熱い心情描写が特徴か。お役目に絡み、各々の心情描写やドラマ、過去の惨劇を垣間見せ三兄弟たちに待つものと敵の存在を提示していく展開。
1巻目は本編はほぼメインキャラの紹介のような1話のみで次の巻へ持ち越し、後半は番外というか本編の兄弟の先祖の面々の物語が収録されています。ルーツというか本編の続きのという役割もあるので無意味ではないにしろ、1巻目にしかも本編よりページ数が多いので少々戸惑ったのが正直なところ。ある程度巻が進んだところでまとめ読みのほうがいいタイトルかも。
後にシリーズの外伝と、本編から300年ほど昔の戦国時代を舞台にした前日譚にあたる「煉獄に笑う」が発表されました。

唐々煙
曇天に笑う / アヴァルスシリーズ全6巻
曇天に笑う 外伝 / ビーツシリーズ全3巻
煉獄に笑う / ビーツシリーズ1~巻
泡沫に笑う / ビーツシリーズ1巻
マッグガーデンコミックス / マッグガーデン
ジャンル:少女・時代活劇 / 好み度:★★★☆☆