これは恋のはなし チカ

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スランプ中の小説家の内海とどこか大人びた少女・遥。遥が猫を飼うため庭を貸してほしいと内海が仮住まいする古屋に入ったことから出会った2人。31歳の青年と10歳の少女のおそらくは恋のはなし。
イケメン若手の小説家として一世を風靡したものの現在の人気はそこそこ、しかもスランプ真っ只中の作家・内海。気晴らしのため田舎の空き家になっていた祖母の古屋で生活をするものの筆は進まずまんじりとしない日々を過ごしていた。そんな中、庭に一人の少女が入り込んでいた。聞けば猫をこの家の庭で飼いたいという。いつもなら内海は拒否するところ、その少女の瞳に一廉の衝撃を受けた内海はなし崩しに許可をしてしまう。
猫を通じて穏やかで奇妙な関係を構築する2人。どちらもなにかしらの寂しい思いを抱えた青年と少女の話。タイプは違えど不器用で感情表現がうまくないというところも似た者同士。
ごく普通の恋物語、にならないのは世間の目という観点からは不道徳ととられかねないところが弊害になってるというところか。しあkし無条件に周囲から祝福を受けない状況での純愛、というのはある意味少女ものとしては定番だったりするわけで。
実際それを懸念する遥の同級生の男の子は内海に突っかかるし、内海の友人で編集担当の青年はこの状況に乗じて内海に恋愛ものを書かせようとする、と周囲が騒がしくなることに。しかしそれを通して2人の絆が深まるというながれに。
可憐で芯が強く年齢に不相応なものわかりの良さが遥の魅力ですがそれゆえにせつないところとか、三十路のおっさんのまさかのツンデレに驚愕しつつもツボに入ってしまったよ。あと遥の同級生の男子がわかりやすいほど少年の恋をやってるところもね。
心情描写がものすごく淡麗で静謐で雰囲気があるんですよね。読むと心が清涼になるような気持ちになるというか。

チカ
KC×ARIA全11巻 / 講談社
ジャンル:少女・恋愛 / 好み度:★★★★☆