突如特殊な能力を持つ人間が多く現れた世界。はじめこそ恐怖や奇異の目で見られていた彼らはそのうち好奇心と慣れから次第に受け入れられていった。能力を使い悪事を働くものもいれば善行をするものもおり政府は彼らを超法規居住人・略して超人と呼び一般人と区別することになる。
社会形態は現代そのもので超人がいるという世界。主人公は父親の収入が不安定なゆえに就学のあいまにバイトをする勤労少女。彼女もその超人の一人だがその能力はバイトの効率を上げるためだけに使われていた。そんな彼女の前に現れたのは正義の味方の超人に憧れる常人の少年。少年は彼女の能力の素晴しさを熱く語るが家族の生活を守るだけでいい主人公に正義がなんだと担がれても興味なし。しかし超人マニアの少年や超人を統括する省のスカウトが現れ彼女の周囲はさわがしくなるという流れ。
能力は特殊だが一般人の主人公が大事に巻き込まれるという図式ながらコメディのノリというかのんびりした雰囲気が特徴。後々シリアスに発展するかもですが。小市民な主人公のキャラといろんな意味で熱血な少年、お役人ながらちょっと抜けた印象を持つおっさんやちょっと世間知らず的な超人の女の子とか、キャラがそこはかとなくギャグ系だからなのか。
この物語の超人は超能力者というより往年のアメコミヒーローものに登場する怪人のような設定。単に特殊能力を持つものもいるだろうけど主人公も含め様々な姿に変貌し能力を発揮するというパターン。絵柄もあいまってなんとなく懐かしさも感じる雰囲気に、いまどきの萌え要素もさりげに組み込んでいるところはうまい。
小原愼司
MFコミックスフラッパーシリーズ全2巻 / メディアファクトリー
ジャンル:青年・SF / 好み度:★★★☆☆