男である国王と国に点在する女の歌姫が国を守る世界。変革の時を迎える歌姫をめぐるファンタジードラマ。
この世界の歌姫とは国を守護する歌を歌う者。主人公の少年の家族は歌姫を母と姉が一人。歌姫は女性のみ一子相伝であるにも関わらず歌姫の能力は姉に継がれず男である主人公に継がれていた。それが悲劇を生みその贖罪として秘密で歌い続ける主人公。そんな中王族にとってイレギュラーな存在の女性が村にやってきて・・という展開。
うーん、うまく説明できなくてすいません。1巻完結の話ですが、物語の構成が緻密でページ数以上に物語を堪能できる内容でした。物語の骨組みだけでなく人物描写も秀逸。人物の葛藤や悲哀、選択の描写がリアルでさりげなく、心に響きます。けっこう重いテーマなのに沈まないのは著者の力量なんだろうな。
歌姫が住む塔の周辺に大事な歌姫を守るという名目で村が作られ村人が歌姫の一族を世話しているわけですが実情は、村人が歌姫に依存して暮らしているというのが生々しかった;悲しくせつないエピソードが多いですがそれなりに希望ある結末だったのが個人的に良。物語の雰囲気を壊さないコミカルなシーンがあるのもいいな。
同時収録は「ダリカ」
あき
ゼロコミックス全1巻 / リブレ出版
ジャンル:少女・ファンタジードラマ / 好み度:★★★★☆