賽ドリル 河内和泉

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通学途中の階段から落ちた女子高生あずきと直々は気がつくと恐山の賽の河原にいた。とまどう2人の前に登場したのは、恐山を管理する地蔵菩薩。彼女たちの肉体は事故で生死の境をさまよっており、現状では賽の河原にとどまることになる。現世に戻るか彼岸をわたるかの選択をすることになるが、それには菩薩の出す課題をクリアが必須条件だと告げる。
菩薩の出す課題=賽ドリルは、まずサイコロを振り、出た目から本来の基本能力値に上乗せもしくは差し引く状態で菩薩の出す条件をクリアするというもの。
現代的ゆるゆる~bな雰囲気の説法マンガ。
課題の内容も物語の雰囲気もゲーム的ルールとマンガ的コメディな内容ですが、成人前の子供に、現世で親や社会が教えるべきことを試練という形で覚えさせるというのが菩薩の役割ですから、やはりその根幹にあるものは禅問答的・教訓(教育)的な内容。
菩薩のキャラが友達感覚なノリの言動なのが特徴かな(カミサマ的・上から目線ではないというべきなのか)。
女子高生2人以外にもドリルを受ける魂が登場します。どの登場人物もキャラがたってていいなあ。著者のキャラは前向きタイプが多いので見ていて気持ちがいいです。
菩薩とドリルをこなす面々との会話が個人的にツボ。それにしても恐山の菩薩の笑みはカミサマとは思えない悪い顔、もしくはうさんくささ大爆発、もしくは悪戯を思いついたこどものよう・・・と思うのは私だけなのか。
テンポがよく、主題もはっきりしていて楽しめる秀作。ただ賽の河原の宗教的イメージと作品のコメディ的設定とノリの違和感で最初はとまどうかもですが。
2巻でおわっちゃって残念。物語自体はうまくまとまっているのですが、もうちょっと彼らを見ていたかったというのが正直なところ。wingでなければもうちょっと続いていたのかなあ・・・とか。

河内和泉
ガンガンウィングコミックス全2巻 / スクウェア・エニックス
ジャンル:少年・コメディ・ドラマ / 好み度:★★★★★おすすめ