地獄行きバス 明治カナ子

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結婚が決まったと告げた同棲相手は自分とも別れないと言う。別れる条件は一週間共に旅行に行くこと。表題作「地獄行きバス」と、睡眠にトラウマを持つ男性と売りの少年の話「夜の女王」を収録したBLストーリー。
同僚と結婚すると同棲相手の修に告げられたカンちゃん。修に別れを告げるも、別れない、だが1週間一緒に旅行に行くなら別れてもいいと言われる。
結婚相手がいるのに自分とは別れないという修の気持ちがわからず、また自分がいかに修に傾倒していたかを身に染みて苦悩するカンちゃんの描写がツボでした。シチュエーション的には目新しいものはないのですがインパクトがあるというか印象に残るというか。
さりげない描写なのに執着とか情熱なんかが強く伝わってきます。
服飾系の仕事で服や物に執着して服の扱いも半端ないカンちゃんのコネタ的日常の描写も妙にハマリました。自分が服飾にそこまで神経を持っていかないからか新鮮だったなあ。
物への執着が激しいカンちゃん、逆に極端に薄い修。修のほうが愛情表現が激しいけど、失ったらダメージが大きいのはカンちゃん。
正反対の気質の2人だけどなんのかんのと互いがなくてはならない存在。萌え(笑)
夜の女王は、寝ている間に両親が消えたトラウマからうまく睡眠が取れない青年と、売りの少年、そして青年が秘かに恋している親戚の少年が登場する話。こう書くと三角関係っぽいですが、そうであるようなそうでないような(困)青年にとってウリの少年は片恋の少年のかわりだったが、親戚の少年に持っていたのは恋愛感情でないことに気づきウリの少年に傾倒していくという流れかな。
どのキャラの描写もクールというか淡々とした空気なので、なんか恋愛模様というにはもうちょいやる気だせない?ってつっこみたくなるところも多々あり。そこが良いんですけどね!ギフトという台撮るでこの話の続きのコミックスも出ています。

明治カナ子
バンブー・コミックス 麗人セレクション全1巻 / 竹書房
ジャンル:ボーイズラブ / 好み度:★★★★☆