同居していたおばあちゃんが亡くなり居場所を失った高校生・花実は、1年間音信不通だった義母を皮切りに離れて暮らしていた義兄や義弟と再会する。新たに幼い義妹を置いて義母は再び海外へ。結局兄弟4人だけで暮らすことになるが。
えーと血のつながらない家族の話なのですが、その経緯がちとややこしい。まず主人公たち義兄妹たちの義母は恋多き人で、こどもたちはみな知人に世話になっている状態でした。主人公と同居したおばあさんとは義母も主人公も親戚ではないし。偶然にも各々それまでの環境から出ることになり、主人公のおばあさんの家に住むことになります。まあはじめは出て行くことになっていたのですがいろいろあって結局落ち着いたというところですが。
環境設定の怒涛っぷりと現実味のなさになじめませんでした。主人公たちのぎりぎりな生活環境で繰り広げられる恋愛とかドラマが主題なので、整合性はあるにしてももう少し納得いく設定はなかったのかと;実際あったらごめんなさい。
一口で言うと疑似家族ものであり義姉弟の恋愛ものであり、という内容。どこか廃頽的な雰囲気を感じるのはその設定ゆえか。あやふやというかぐらぐらというかおぼつかない印象を受けるタイトルでした。周囲との諍い、自分だけではままならない状況、そんな出来事や心情がぐるぐると回っているかんじ。
ドラマチックで、各々の兄弟のドラマは綿密に描かれていますし、いろいろと目が離せない展開の連続で、読み物としては秀作だとおもうのですが、キャラの心情も話の展開も怒涛すぎてついていけないことしばしば。単に私が著者の作風と合わなかったのだと。
海月志穂子
プリンセスコミックス全7巻 / 秋田書店
ジャンル:少女 / 好み度:★★★☆☆