全ての時を司る時計・ホーロロギオン。その中にいた12のギオンが流出した。普通の女子高生3人はその回収に関わることになるが。
女子高生の3人のうちの1人、ミギリは時計屋で壊れた大きな振り子時計の処分を教師に任されることから話が始まる。その振り子時計が物語の中核であるホーロロギオン。12のギオンとは魔女っ子ぽい容姿の幼女たち。その12番目のギオンがミギリに半ば無理やり助力を求め、ミギリは戦闘を余儀なくされる。そして3人は回収がすむまで区切られた無人の時間の枠の中にとどまることになるという展開。
普通なら平凡なキャラが戦うのに必要な特異な能力を習得する訓練ってところでしょうが、この作品の場合はダイエットが必須条件というところがユニーク。ダイエットという要素がファンタジーでしかないこの作品を妙に身近なものにしている気がします。親近感というか目標到達にいたる主人公の大変さを共感できるというか(笑)ダイエットをする理由設定もわかりやすくていい。
作品ジャンルとしてはSFとかRPG系、登場人物が愛らしい風貌の女の子のみ絵柄もコミカルで可愛らしいためか、物語の内容の割りに深刻さを感じさせないライトな雰囲気。キャラの台詞も辛辣なものもありシリアスな展開なのですが鬱っぽいものがないからかな。
非現実的な状況でも楽しむことを忘れない女子高生たちの描写が魅力。主人公は節制がんばれ(笑)
ちょっと設定がややこしくしょっぱなから急展開なのでとっつきにくい部分もありますが理解できれば味わい深いタイトル。
きっちりした線の石田敦子、もしくはケメコの作者を思い出させる絵柄。好きな人には好きな絵柄かと思われ。私もなんか惹かれます。
原作:花田十輝 / 作画:乃花タツ
電撃コミックス全3巻 / アスキー・メディアワークス
ジャンル:少年・ファンタジー / 好み度:★★★☆☆