16世紀後半のローマ。12歳にして天才絵画修復技師の伯爵令嬢の物語。
伯爵家の末娘のキアラは幼いころから絵画の修行をし12歳になるころには天才と称され依頼が絶えないほどに絵画修復の能力を開花させていた。
キアラは小さくぽっちゃりしており容姿はいまいちだが両親の愛情は深く、ゆるぎない技術を身につけているゆえか理論的で大人びた発言をする一方子供らしい面も見せるというキャラ。子供らしい表情を引き出すのは出張の際いつも護衛として行動をともにする親戚の美形の青年。彼あh普段はからかう体だがキアラの危機には全力で守るという定番ながらほほえましい関係。幼くある意味社会経験不測、理論派ゆえに真実をつき身の危険にさらされるキアラをフォローする役割としても申し分なく。
基本は、絵画の出張修復する先で絵画にまつわる事件を解決するという展開。1話完結形式の修復技術の薀蓄と推理ミステリサスペンスを足した内容です。
修復サイドもミステリサイドもかなり読み応えのある秀逸な構成が魅力。ミステリも事実を明らかにするだけでなくそこに生まれる人間ドラマも現実味があり納得できるところがいいです。
文句なく楽しめる内容でした。久々に話つくりがうまいと感じたタイトル。
たまいまきこ
ぶんか社コミックス ホラーミステリー2巻 / ぶんか社
ジャンル:少女・ミステリ / 好み度:★★★★★おすすめ