ある高校の1クラスで行われる「王様ゲーム」携帯で特定の生徒に特定の命令をするメールがクラス全員に送られ特定の生徒は時間内に命令を実行しないと罰が下るというもの。はじめは他愛ない命令だったが徐々にエスカレートし命令を実行できない生徒が出る。そしてその生徒たちは罰として命を落とす。異常な事態に主人公が一計をめぐらすも裏目に出てしまい結局犠牲者を出してしまう。主人公は猛烈な自責の念に駆られるも親友を守るため「王様」のように「悪魔」になろうとするが。
倫理を取って死ぬか犠牲を出して保身に走るかという二者択一を迫るゲーム。生きるために他者を犠牲にしなければならないという点ではバトルロワイヤルに似てるけど、区切られた場での直接的暴力や策謀ではなく学校社会の場で行われるゆえにより現実味のある緊迫感があるかなあ。平凡な日常の中で先を暗示させる導入部はうまい。
主人公が理不尽で容赦のないゲームを止めようとする過程、常軌を逸した状況での生徒たちの心情描写、王様は誰なのかそしてその目的の謎がこのタイトルの肝のよう。
設定など二番煎じかなあと思うところもありますが続きが気になるという点では及第点。しかしミステリとしては整合性が感じられない部分もあり。
1巻を読んだ段階では興味深い内容ですが後半はどうなるか。異常な事態で魅せているところがあるのでミステリ要素はいまいちになりそうでちと不安。
原作:金沢伸明 / 作画:連打一人
アクションコミックス全5巻 / 双葉社
ジャンル:青年・サスペンスミステリ / 好み度:★★★☆☆