両親は他界、シスコンの兄と同居するごく普通の少女が主人公。ある日兄が教師・弟が転校生という兄弟が学校にやってくる。弟は主人公に興味を持っているようで何かと関わってくる。そして彼は主人公に自分を殺せと告げる、という奇妙な始まり。
えーと転校生兄弟に後々登場する人物たちを加え、彼らは不老不死の呪いをかけられており、その呪いを解くのは主人公のみ。その一方で周囲で頻発する奇妙な事件が頻発しておりそれは人に憑く胤と呼ばれるものが原因で、不老不死の彼らは植物の力を借りて対抗はできるけどそれを浄化できるのは主人公のみという具合。
主人公を取り巻く不老不死の面々の背景は、数百年前にさかのぼります。ある宗教団体が信者を集めるため災厄を自らつくりそれを倒すことにより信者を集めていたところ、その災厄が力をつけ手に負えない状態になったので節句の子の魂を犠牲にして抑えることに。そしてそれも限界が来て節句の子に不老不死の呪いをあたえて世につなぎとめるという蛮行、そして現在に至るということらしい。
けっこうややこしい設定ですがまあ読み進めればさほど混乱もなく。説明のページが結構多いけど仕方がないかね。
物語の基盤はなかなかにダークでシリアスですが、ほのぼのなコメディシーンも割りとあり、殺伐としたやりとりばかりでもなくといったかんじ。美麗で適度な思春期の幼さを感じる絵柄が絶妙。画面は眼福っす（笑）植物を操ってのバトルも見所の１つなのかね。
自我に関係なく素性により他者にとって仇という立場の主人公というやつは苦手な分野なのですが、険悪なムードはさほど続かずすぐに和解というか打ち解ける展開なのが救いでした。
１巻終わりの兄の本性が出てきてるのでまためんどくさい展開になりそうですがこれが主題だろうしね。
長神
シルフコミックス全３巻 / アスキーメディアワークス
ジャンル：少女・学園・ファンタジー / 好み度：★★★☆☆