突然の母の再婚話を知らされ反発した少年は、裏山の木の上で一人で生きると誰にともなく啖呵を切った直後落雷に遭う。そして気がつけば母の再婚相手と同じ姓を持つ青年に、しばらく少年を預かると少年に告げる。一度は青年が再婚相手かと疑うがそうでもないようで。あれよあれよと青年とともに仮初の生活をすることになるが。
主人公が夏休みに体験した不思議な出来事を描いたお話。2人の出会いからはっきりとは描かれていないものの青年の正体はなんとなくわかる構成。ネタバレしてしまいますとタイムスリップもので主人公と同居する青年は主人公当人というわけで。タイムスリップものというと季節は夏ってのは鉄板か。
少年主人公の知らない未来を青年主人公が知っているのは言うに及ばず青年主人公と親しい女性の、少年主人公と同じくらいの年代の弟がさらに未来を見ることができるというところがミソ。
各キャラの悩みどころであり物語のテーマのひとつが、未来を知らない相手に未来を告げるべきかということのよう。将来難儀な事態に直面するとわかっている場合は余計にためらわれるわけで。青年主人公、女性の弟、そして弟にそれを相談された女性も。いずれにせよ未来への選択を決めるのは当人自身でありどちらも納得がいくものであったのは確か。タイムスリップによるキャラの心情描写に清清しさを感じたのは夏という舞台の妙か。
K
アヴァルスコミックス全1巻 / マッグガーデン
ジャンル:少女・ドラマ / 好み度:★★★☆☆