人形作家の女子大生・マリエは彼女が出展する展示会にもやってきた謎の青年により洋館に軟禁され世界を構成するヒトを作ることを要求されるが。人と人形がつむぐダークファンタジーミステリ。
舞台は現代日本。新鋭の人形作家の女子大生マリエ。彼女も出展した展示会にカレルと名乗る青年が来訪する。そして展示からマリエの作品だけが盗み出される事件が起き、直後にマリエは青年により拉致、洋館に軟禁されることになる。その洋館にはマリエの盗まれた人形を含め人形たちが動いていた。うろたえるマリエに青年は「ヒト」を作ることを要求する。
カレルが言うには館内で自由意志を持つ人形を作れるマリエは神に等しい天才で、彼の行動は彼が欲しいものをマリエが作れることと歪んだ同族意識?と執着が基点のよう。
主人公が過去作成した人形たちは青年側にしたがっているが、自分自身の分身として作成された少女人形は主人公の味方。2人手脱出を試みようとしつつ青年の望みだつ人形の製作も行うという流れ。
サイコ・・とまではいかずとも、独善的な理屈で主人公に許容する青年の目的と行動、過去の痛みを具現させ創られた人形たちが動くことでトラウマと対峙する主人公、そして主人公の人形たちの各々の思いの描写が見所か。
主人公が脱出できるかそれともヒトを作り上げるのか、どう話を持っていくのか気になるところ。
ちょいひっかかったのが、動く不思議があるとはいえ自分の作品にあれほどおびえるかなあというところ。過去のトラウマも起因しているなら納得か。
原作:田沢孔治 / 漫画:さかもと麻乃
MFコミックスフラッパー全2巻 / メディアファクトリー
ジャンル:青年・ダークファンタジー / 好み度:★★★☆☆