女尊男卑の国。貧しい暮らしの中、快活に暮らす少年は友人とともに街で攫われある貴族の男に買われる。そして少年は自分とうり二つの王女と対面し、彼女の身代わりを命じられる。
女性が王位を継ぎ、社会においても女性が優位の国が舞台。主人公である庶民の少年が、彼とうり二つの王女の影武者をやることになるというはじまり。１巻目は、人の出会いからはじまり、王女が成人の儀式において歩みを進め、主人公が本当の意味で彼女の影武者となる経緯が綴られる。
主人公と王女がうり二つの理由が暗にほのめかされ、自分の意思で影武者になる主人公、そして王宮内の政治的な策謀とか、主人公と王女の側近との絡みが肝になっていく・・のかな。華麗な絵柄と中世フランスっぽい世界観はよく合っていて華やかな画面を堪能できる。このテのマスカレードロマンとしては、話の流れというか構成というかに若干違和感があるような気がする。１巻の一番の見せ場を引き立たせるまでの流れに説得力が薄いからなのか。主人公がどう進むのかを見るのに留意して読むなら、もしくはドラマチックな展開を好む人向けかな。
雪広うたこ 企画原案：武蔵野ぜん子
シルフコミックス１～ / アスキーメディアワークス
ジャンル：少女・ドラマ / 好み度：★★★☆☆