毎朝起こす幼馴染の女子に憧れの同級生の女子や友人に囲まれごく普通の学生にあたりまえにある平凡で暢気な日常を過ごしていた主人公の少年。主人公の周囲も人間社会全体もほぼ平穏だが、夕暮れ時だけは警戒が必要という世界観。警戒すべき対象は、いわゆる吸血鬼。本来夜の住人の彼らは夕暮れ時に活動域を変えている。
そんな中、主人公の憧れの女子と友人たちに夕暮れ時に外に出ようと持ちかけられるが、というはじまり。
吸血鬼には、本来の血族の「原種」、原種に血を吸われ半吸血鬼というかゾンビ状態になった元人間「亜種」そして亜種や原種を滅するため人間側が組織的に生み出した「蜜種」がいるという設定。
吸血鬼を繁殖させることができる体質の主人公を巡って原種と蜜種が戦うという図式の巻き込まれ型ハードダークアクション。人間側は主人公の体質を早くから把握しており、実は幼馴染も海外にいる両親も本物ではなく内調の人間で、知らぬは当人ばかりなりだったという。
とにかく展開が早く次から次へと事態が急転していく構成。アクションのみならず、主人公をはじめとしたメインキャラ各々の心情や思いなどを含めた人物描写もきちんと描かれ感情移入しやすい演出。とはいえ1巻の段階では主人公以外の周辺のみが動き回り、主人公は事態の中心にいるのに蚊帳の外という状態なんですよねえ。ここから先どう動かしていくのか気になるところ。現状が延々と続くのなら個人的には辛くなるかも。
原作:山本賢治 / 作画:刻夜セイゴ
ドラゴンコミックスエイジ5巻 / 富士見書房
ジャンル:少年・ダークアクション / 好み度:★★★☆☆
