住所不定無職・崇める者が少ない「神」夜トは、賽銭を代価に苦悩を抱える者に寄る魔を切り祓う。
人気というか認知というかとにかく拝む人間がいないゆえ居である社もおぼつかない神様が、悩みや苦しみを抱える人間の依頼を受け寄りつく魔物を切って社の再建に当てるというのが物語の基軸。そこで発生する人間側の事情やドラマと、夜ト側のアクションが展開されていくのかな。
基軸はわりとよくあるオカルトアクションもののようで、作画や画面構成や見せ場の演出、物語自体のメッセージ性や展開は魅せるものがあります。ただ主人公周辺の事情などの設定というか流れのほうは定番じゃないというかなんというか。
1話目のヒロインが後々の相方になるかと思いきや単なるゲストだし、主人公が仕事をするには人の意思を持つ魂による神器が必須でですが1話最後に逃げられるし。また2話目から1巻表紙の女子が登場し、この子はさすがに長い付き合いな相方の立ち位置のようですがてっきり神器になるかと思いきや違うし、で本当に予想を裏切る展開で先が見えないというのが正直な感想。
巻末の河島正氏の追悼&回想漫画を見るに、どうも著者は自身が話を作るのは慣れていない?ようでそれゆえの構成なのか。ただほかにない新鮮さに感じるのは確かで、これが好となるか嫌となるか続きが気になるところ。
あと夜トのキャラが個人的に好きでした。神様らしかぬ幼さというか気さくさと不器用さがあり賽銭の金額などある意味常識である意味世間知らずなという二面性がツボ。
あだちとか
少年マガジンコミックス1~ / 講談社
ジャンル:少年・オカルトアクション / 好み度:★★★☆☆