両親を亡くし親戚の家とも折り合いの悪い男子中学生ひまわりは、ふと参拝した神社で飄々とした謎の青年と少女に出会う。相手は主人公が自分たちの姿が見えることに驚く。実は彼らはいわゆる神様で、大多数の人間には姿が見えないとのこと。そしてその体質を買われ半ば無理やりに彼らのおつかいをさせられる羽目になるという神社ファミリーが織り成すハートフルストーリー。
おつかいの内容は、神様たちが祈願された内容をそれなりに叶えるのを手伝うというもの。神様と主人公が常につるむための設定は上手く練られているかんじ。主人公の両親は他界、親戚との折り合いが悪いというのは良く見る設定ですが親が自由人だったというのは珍しいか。そしてその家庭環境から神社の面々と関わることになり住み込むこともすんなりするという具合。
参拝者の悩み解決を通してのドラマに主人公自身とその周辺が加わる内容、ゲストキャラの祈願内容を成就させることを基軸に神様や主人公自身のドラマも綴るという構成。主人公の両親に対する複雑な重いとか従兄弟との関係など、どのエピソードも心に自然に染みる秀逸さ。
全体的に深いシリアス一歩手前、ヒトの優しい側面を重点に描かれており読後感が良いと思われ。骨組みはほかのドラマものと大差はないのにじんわりくる度合いがダントツ(古語)でした。良作です。
夏目イサク
ウィングスコミックス全2巻 / 新書館
ジャンル:少女・ドラマ / 好み度:★★★★☆