漫然と生きてきた高校生の光路は、少年・大地と出会う。大地には無機物や動物の声を聞くことができ、それはかつて主人公も持っていた能力だった。そんな縁から主人公は少年に懐かれる。ものや動物だけでなく人の心の声も聞こえてしまうため主人公はその能力ゆえに家族を含めた周囲に疎まれた経験があり、少年にも同じ環境では、と危惧するも、少年の母親は息子の能力を理解し、誇りにすら感じている。主人公はそんな親子をみて、自分にとって余計でしかなかった能力の見方が変化したためか失った力が蘇ってきたというはじまり。
同じ能力を持つ二人の交流や能力を活かしたエピソードを主軸にしたほのぼの話・・・かと思いきや、二人の能力の存在を知り遠巻きに見る人間もおり、どことなく不穏というかひと悶着ありげな要素も見え隠れする。そう見せてほのぼの路線で終わるかもしれませんが。透明感のある絵柄から紡がれるゆったりとした雰囲気が良いですね。
藤谷陽子
シルフコミックス全６巻 / アスキーメディアワークス
ジャンル：少女・ドラマ / 好み度：★★★☆☆