みんなの呉 宮条カルナ

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後漢王朝末期。兄・孫策の死後、後を継ぎ呉の長となった孫権が主役にブレインたちを主格に、史実に則りつつ砕けたノリで描かれる三国志物語。
孫権と彼を支えるさまざまなタイプの武将たちの描写が絶妙。個人的に孫権が主役の話って見かけたことがないので新鮮でした。
史実を機軸とする戦争や人材の話とか物語自体は骨太な構成ですが、全体的に現代風のノリというかコメディタッチというか肩の力を抜いて読める雰囲気。軽快なノリでかつ史実を踏まえたものってのが大好物なもんで思いっきりツボに入りました(笑)。
武の能力が乏しいが兄が認めるほど内政の才能には長けていた、良くも悪くも酒癖が突き抜けている、自分が突き進むタイプではなく人材をうまく使いこなすという孫権をはじめ、巷のイメージをそのまま使いつつ独自の解釈をつけたキャラ設定も魅力のひとつかと。みんながいてわたしがいるの口上は、まさに直球・・。
また繊細かつ緻密、美麗だけど耽美ではない絵柄と画面の迫力が素晴らしい。人物の装束とか手抜きじゃないところがすごい。

宮条カルナ
ガンガンコミックIXA1巻 / スクウェアエニックス
ジャンル:少年・歴史 / 好み度:★★★★★