時は大正。女学校を卒業したみどりは親しくしていた同級生・弥生が死んだことを彼女の兄の手紙から知る。そして弥生が家庭教師として在籍していた子爵の家に住み込み、弥生の死の真相を探ることを決意する。
旧華族の家でなにが起こったか、死亡した同級生は妊娠しており、その相手は誰なのかを主人公が探るという内容。
主人公は庶民の出だが酪農で財を成しており子爵の家に入るのもさほど難儀しなかったもののやはり身分によるプライド云々とやっかいな面もあり、家の中の事情や思惑も複雑。
家には主人と奥方、２人の息子、あと奥方側の親族など癖のある面々ばかり、当時の時代背景や華族特有のえげつなさもあったり。大正時代で若い女性を主人公にしたサスペンスとしては鉄板の設定と展開。実写ドラマのような展開とも言えるか。
とはいえ一般のミステリサスペンスよりもシリアス度は抑え目な印象。主人公が一本気なキャラだからかな。
オーソドックスながら手堅い構成。個人的には諸々のドラマはそこそこに探索ミステリを前面に出してほしかったがバランスとしてはこれがベストか。
碧也ぴんく
バーズコミックスガールズコレクション全２巻 /幻冬舎
ジャンル：少女・サスペンス / 好み度：★★★☆☆