遠野モノがたり 小坂俊史

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三十路を機に東京中野から岩手県遠野市へと引っ越したイラストレーターの女性をはじめとし、Uターンの女性や地元で生まれ育った女性の視点から描く遠野見聞録4コマ。
中央モノローグ線の続編。東京から遠野市へ引越しした自由業の女性をメインに、Uターン組や地元組の女性といった、各々違う背景を持つ彼女たちから遠野という街を見たモノローグ形式の4コマもの。遠野の人の暮らしと遠野の観光紹介の2柱のような構成かな。
メインとなる自由業の女性は、半分観光の人・半分地元の人な視点なのかな。それゆえその地で生活してみないと発見できないこと、観光地としての遠野に対する感慨の両方が描かれているのが印象的でした。著者が現在遠野に住んでいるようで実体験がそれなりに混じっているのかな。
他の2人も、2人ならではの視点が実に興味深かったです。自由業の女性の部屋には座敷童子がいるという設定もあり昔からかの地を知るキャラとして物語の役割を担っています。割と現代っ子っぽいような気もしますが(笑)

小坂俊史
バンブーコミックス全1巻 / 竹書房
ジャンル:4コマ / 好み度:★★★★★

余談になりますが遠野は一度だけ行ったことがあります。宮沢賢治関係で岩手に行ったついでで、正直遠野に行ってはじめて遠野物語の存在を知ったという・・。そして著者の柳田國男が地元の近所生まれということもそのとき知ったという・・。関連本を遠野市で買いまくって荷物の重さで死にそうになったのも懐かしい思い出。
遠野での一番の思い出は、やはり宿に向かう際の満天の星空。日本でこれだけの星が見れるのかと思ったっけなあ。