ライトノベル なるしまゆり

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人気ライトノベル作家の大学生・龍の作風は人死にの多い怒涛の展開タイプ。原稿作成中気晴らしに外に出た際、ファンだという不思議な少年と出会う。その少年の名は現在連載している作品の登場人物と同じで死ぬ筋書きということもありなにかしらの気まずさを感じる主人公。そんな中、主人公に奇妙な添付メールがきたことをきっかけに主人公の作品を模した殺人事件が発生する。
・・かなりズレてるあらすじですいません;作家と読者、そして作品の世界と現実世界とのリンクを描いた話。
主人公の作品になぞらえた殺人事件が起き、それに関して調べるためそれまで使わなかったネットツールなどを利用し情報収集したり、疑われて警察に聴取されたりその際担当する偏った趣味?を持つ刑事が出てきたり、そして謎の少年の素性も明らかになり・・といった展開に。
著者の話は巻を重ねないと全容が見えないことがままありますがこちらは1巻の最後に犯人らしき人物が登場しその目的がわかる構成。現実社会が舞台ですがオカルトというか不思議要素が含まれてもいます。といっても根幹はあくまで人間描写なんですが。
若者向けの創作物語に対する台詞が辛辣であり的確でありなのがいろんな意味で悶絶した(笑)
ミステリとしては十二分に堪能できる話であり界隈で提示されている諸問題に対する提起でもあるのかなあ。実際現実で発生したあれやこれやの事件に対する言葉も発信されているような。

なるしまゆり
KC×ARIA全4巻 / 講談社
ジャンル:少女・ミステリ / 好み度:★★★★★