うどんを通して繰り広げられるバツイチ三十路女性と美大生の青年の恋愛模様。
とある美大の学食に勤めうどんを担当するバツ一の三十路女性は、連日うどんを頼む美大生の青年が気にかかりだし、というはじまり。
女性は青年が連日うどんを注文するので顔を覚えうどんばかりの理由は単に貧乏なのか、いやもしかしたらとぐるぐると妄想。一方学生も女性が自分を意識していると知りその段階になって主人公に好意を持っていることを自覚する、そして女性も男性を恋愛対象として意識し始めるというかんじ。
双方とも相手とのシチュエーションを想像というか妄想したり、相手の行動にやきもきしたりぐるぐると考えたりってのが終始続きます。そんな様子は、タイマン勝負でじりじりと間合いを計っているにどこか似ているような(違)そして恋愛とは曲解と誤解で成り立っているのな、とも(笑)
また青年の科の男性教授は女性の元旦那という設定もあり。またこの教授がいい意味で曲者系で、物語を引っ掻き回すのにいい塩梅のキャラという。教授にはっぱをかけられた男子学生の青二才ぷりとか、女性と教授の微妙な関係性とか、けっこう面白い。
あと、うどんがきっかけで始まる恋愛なんですが、きっかけだけでなく話の終わりまでうどんを引っ張るところは見事。画面構成もスタイリッシュというか映像を見るような感覚を楽しめるのが嬉しい。作中に出てくる男子学生のうどんをモチーフにした絵が印象的。うどんはえろいは真理(笑)美大という舞台を巧く使っているなあ。
えすとえむ
フィールコミックス全1巻 / 祥伝社
ジャンル:女性・恋愛 / 好み度:★★★★★