一変世界 明治カナ子

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その世界では、神の森の中心にある女神の神殿が信仰の中心であり、生活の中心であった。現在は神殿の長である大巫女がおらず、大巫女見習いの少女プーリョが修行を積んでいた。神殿の隠された真実、先代の大巫女の謎が絡んだダークファンタジー絵巻。
著者の魔法使いと弟子の話に近いなあと思った。魔法とか不思議現象が常にあるファンタジックな世界観だが、薄ら寒い展開や場面があるのも特徴。主人公は神殿の長である大巫女になるための修行中の見習いだが、なかなかに貫禄があるというか神殿の理をよく知っているかんじ。まあ適性というか素質が十二分にあるからなったっぽいのだが。
淡々と、現実では見られない現象や展開が続き、その中で物語の肝の部分が徐々にわかってくる構成。じっくり読むと味が出てくる作品というべきか。主人公が周囲に振り回されるタイプではないので彼女の付き人が驚く役どころみたい。なんというか訳知りの不可思議な人外?神?にぼーっとしてると足下を掬われちゃってそのまんま、なパターンがよくあって、虚を突かれた軽い衝撃が印象に残る。他にない不可思議な世界観の構築とキャラ設定が興味深い物語。

明治カナ子
バンチコミックス全3巻 / 新潮社
ジャンル:青年・ファンタジー / 好み度:★★★★★