コックリさんが通る 奥瀬サキ

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物の怪の「血」が混じっている蠱族の末裔・大森狸花子、大塚狐子、天野圭狗を中心として、人の中に存る蠱族に関わる事件を描いた物語。
都会の暗部を包み隠さずさらした世界設定とその中で生きる人や蠱族の描写がすごいです。人外の者の脅威とか派手なアクションとかが目立ちますが、物語のテーマというか根っこは、思春期の若者の内にあるもの描写だと思います。自分の正体を見定められず、若さゆえのエネルギーをどこに向ければいいのかわからず、もてあます彼らの迷走っぷりが作者独自のテイストで表現されています。
どっちかというと物語の主役は大森狸花子ですが狐子が主役のエピソードの方が作者の色が良く出ています。あとがき(だったけか)で狐子の話の方はすぐ描けたと書いていたのでちょっと納得。余談ですが、タイトルのコックリさんは主人公3人の名前からとっているんですね。(大塚「狐」子、天野圭「狗」、大森「狸」花子、の3人でコックリさんということ)当時のブルセラの商品内容を知って愕然としたのも懐かしい思い出(おい)

奥瀬サキ
MF文庫/全2巻/メディアファクトリー
ジャンル:オカルト・アクション・青年 / 好み度:★★★★★