恋愛ドラマ・4コマコメディ・青春ものとごった煮な著者の短編集。学生の生涯・私の若葉マーク時代・水元兄弟・ひとりで生きるモン!・スパイの手帖・花はどこへ行った・墨の香り・辻ウラDIARY・ちるちる!・黒猫が・・・見てるを収録。
カオス・ごった煮・ひっくりかえったおもちゃ箱といった言葉がぐるぐる回るほどに見事な統一性のなさが特徴のタイトル。多方面の雑誌に掲載され1冊の本にまとめるにはページ数が明らかに足りない著作シリーズをかき集めたかんじ。個人的にはこういうの好きだなあ。表紙・裏表紙は言うに及ばずカバー裏にもびっちり何かある装丁ですよ。
学生の生涯
メガネで生真面目な大学生とその男子大学生の部屋にさりげなく入り浸るイケメン大学生をはじめとした、大学生の日常と喜怒哀楽をコミカルに描いた4コマ。苦労性の人間には涙を誘い図々しく生きられるその度量をうらやましく思ったり(笑)
私の若葉マーク時代
学生の生涯のキャラを使っての著者の投稿時代の状況を描いた1ページ。時代とか雑誌の傾向にぴたっとはまれば話は早いのですがそうでない場合はなかなか難儀。情報に振り回されるのもアレですがやはりそれなりの情報は必要か。
水元兄弟
とある双子の兄弟にまつわる話。ショートショートというかちょっとしたミステリ仕様。雰囲気が好き。
スパイの手帖
とあるスパイの青年の話。誰が敵か味方か、というスパイものならではの推理と駆け引きっぽいものが堪能できます。
墨の香り
女性漫画。美しい足を持つ女性と地元の政治家の跡継ぎの青年の話。2人は同じ地元で2人がこどものころ、青年の祖母が営んでいた書道教室でのある出来事が物語の鍵。その出来事を忌諱しつつも結局囚われ続けている青年の姿が印象的でした。静かで意味深でちょい官能な足の描写。また主人公の女性と青年の妻の足の対比がにんともかんとも。
辻ウラDIARY
平安時代、とある陰陽師が取り持つ不器用な恋、といったところか。
ちるちる!
シュールでロジカルな二次性徴をテーマにした4コマコメディ。クールで耳年増な女子と知識豊富なシャイボーイのやりとりがメイン。あー、小学校の高学年になるとそういう話が出てくるようになったなあ、と懐かしい気持ちで読んだ話(笑)
西炯子
フラワーコミックススペシャル全1巻 / 小学館
ジャンル:4コマ・女性他 / 好み度:★★★★☆