4ジゲン・B.BJOKER・殺し屋さんなどで知られる漫画原作者自身が漫画を描いたというのが売りの著者の日常ネタ漫画集。といっても途中から作画は奥さんと交代したので共著状態になっています。
事は双葉社の担当の人から漫画を描いてみませんかというオファーから。著者は漫画の原作に携わっているので、作画の人や担当の人には漫画家も描くネーム形式でネタを見せる。そのネーム原稿が、構図など漫画家としても遜色ないクオリティであるのに目をつけた担当は、原作者が漫画を書いてみるというコンセプトを思いついた、というわけで。漫画原作者が、家族や周辺の出来事をネタにしたいわゆる日常エッセイ系漫画を描くというコンセプトの連載が開始される。
絵を描くことに慣れていないといいつつも、確かに構図など、エッセイ系の本を出版している人と比べてもなんら遜色なく、むしろクオリティ高くね?と感じます。荒削りな線も絵柄も味があり、こういう日常ものや4コマだとスルーしがちな各話のサブタイトルも活かす見事なコマ配置。
内容は家族の話が大半かな。あと締め切りネタとか。著者のカラーを感じさせる脱力系かつぴりっとしたネタ回し。家族を基にしたエッセイ系でもこの温度なのか。3人の息子さんたちの行動がとても愉快。
あと特徴的なのが、著者はとにかく作画作業が苦痛で、徐々にそのネタが増えてゆき、巻半ばにして奥さんに作画を丸投げするという事態に。そしてまた奥さんの絵がうまいの何の。どういう経緯の持ち主か本気で知りたくなった。奥さんの絵はとても丁寧で、絵本にありそうな絵柄。著者のキャラデザを継承しつつも著者の絵とはまた違った優しいほっこりした雰囲気をかもし出しています。
それにしても著者はほんとう~に絵が描きたくなかったんだな・・。なのにデザイン担当の指定により単行本化にあたりかなり絵を書き下ろされているという。各話に感想を入れたいくらい楽しめたタイトルでした。
一條マサヒデ/ 藤本たみこ
アクションコミックスコミックスハイ!全1巻 / 双葉社
ジャンル:エッセイ / 好み度:★★★★★
著者が自分のギャグを息子さんに見せてなぜこれがバカ受けするのか、と不思議に思ってらした回があるけど、う○こと爆発は男児には鉄板らしいので、そのコンボは確かに悶絶ものでしょう。