信長のシェフ 梶川卓郎 / 西村ミツル

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戦国時代で織田信長の料理人となった自身の記憶を失った現代人の青年の話。
舞台は織田信長が武将として在る戦国時代、主人公はこの時代にタイムスリップした現代人でシェフであろう青年。しかしタイムスリップした経緯は冒頭では詳しく語られておらず、主人公と同じくタイムスリップしたであろう中年の男性とともに武士に追われるシーンから始まる。中年男性は殺され主人公はある刀鍛冶の若者に助けられる。そしてある出来事から織田信長の目に留まり彼の料理人となるが、という展開。
主人公は名前や生い立ちなど自分自身に関する一切の記憶を失っているわりに、料理の知識や戦国時代に関する知識はしっかりと持っているという設定。このバランスはちと微妙だなあと感じなくもないですが、本筋の流れをもたつかせない点では良。
主人公が、その時代では一般的でない現代の料理法を用いたり、現代では簡単に手に入るがこの時代では入手困難な食材や調味料を工夫と代替で現代料理を再現させたり、食材の人体への効能などを説明したり、といったところが見所の1つ。
そして戦国時代に生き延びるために料理で数々の困難を回避する主人公、現代人たる主人公と戦国時代の武将たちとの命の価値観の衝突なども描かれています。
青年漫画にありがちな大仰な印象がさほどなく、主人公視点から客観的に描かれているというかんじが強いかな。主人公が感情的でないというか冷静に状況判断できる理知的なタイプだからかも。主人公が作る料理は実に興味深くてちょっと作ってみたくもなります。

原作:西村ミツル / 漫画:梶川卓郎
芳文社コミックス1~ / 芳文社
ジャンル:青年・グルメ・戦国 / 好み度:★★★★★