仏像のまち 蒼木雅彦

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天才的な仏師だった亡き父の影響で仏像の中の魂と会話できる男子高校生の元には、様々な仏像たちが頻繁にやってくるのだった。
主人公の男子高校生は、今は亡き仏師の父が掘った仏像たちに囲まれていたせいか、仏像としゃべることができる、という設定。正確には仏像の中の魂というか意識というか。父親も仏像と意思疎通ができていてあらゆる仏像たちと懇意だったのだが亡くなってさみしいので主人公のもとにやってきた、というはじまりの4コマコメディ。
仏そのものではなく、人が仏の姿を模して掘った像に宿った魂だからなのか、仏像たちのキャラはフリーダムというか俗物というか・・なかんじ。モデルの仏の特性は持ち合わせているようで、その特性を突き抜けた個性に変えているといえばいいのかな。
そんなぶっちゃけ騒々しい仏像様たちに囲まれ振り回される主人公。主人公は父の仕事ぷりが反面教師?になり堅実な道に進むため勉強に勤しみたいのだが仏像たちの茶茶入れで集中できないという構図が出来ている。
仏像になじみがある人には常識だけどなじみがない人のための仏像(というか仏様の種類というか分類というか)の蘊蓄がちゃんとあるところが個人的に良。
4コマ形式にすると若干ごちゃついた画面なのが気になるが(仏像の造形ってわりと細かいしね・・)読みにくくはない。テンションが高く一見無法地帯のようだが物語としての起承転結もきっちりされており質が高いと感じた。
他作品を引き合いに出すのはアレだが聖おにいさんが好きな人には楽しめるかと。

蒼木雅彦
コミックジーン全4巻 / メディアファクトリー
ジャンル:4コマ・コメディ / 好み度:★★★★☆