食堂王国・あわび王国にギリギリ王国から出前の注文があり、王国の跡取りである出前姫は、父王の作った料理をギリギリ王国へ運ばねばならないという。出前の食事に群がる妖怪たちをかいくぐり進む出前姫の旅路の物語。
えーとうまく説明できなくてすいません。料理を主軸にしたお使いならぬ出前RPGといった雰囲気のお話。
主人公はとある国の王女様。王族らしい高潔さとけっこう庶民派な気質を兼ね備えたキャラ。彼女の国は料理が有名で料理の注文が入れば王自ら料理を作り後継者がその国に一人で出前をするという慣わし。
ということでとまどいつつも慣わしなので料理を持って、(人間が同行できないというので)妖術師の魂のかけらのお供と共に出前の旅に出るという展開。料理目当てで襲う妖怪とか、昔出前に出てうっかり妖怪になってしまった実兄との出会いとか、野望を持つラスボス的妖怪との対峙とか、かなり読み応えがありました。
物語自体はわりとしっかりした構成に、著者らしい脱力したノリとナンセンスさなど独特の雰囲気がいい感じに融合しています。
童話とかドラクエとかが好きな人にはお勧めの作品。著者のカラーであるちょいキモいデザインの登場人物たちが許容できればですが。王子の妖怪スタイルにはちょっと涙が出た・・(笑)
主人公の有能なフォロー役の妖術師の女性と、主人公や王子のさりげない王族口調にかなり萌えました(いやほんとに)
吉田戦車
ビームコミックス全1巻 / エンターブレイン
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★★★