成熟する前のごくごくありふれた少年が主人公。
家庭内不和、学校生活、恋愛と思春期の到来。
主人公のシュールでリアルで時に鬱々とした時に激しい日々の出来事を描く喜悲劇。
片恋の子が転校し憂鬱だったが転校生に一目惚れ、
告白したり友人達とエロを見たりする中、母は怪我をして父はある所へ行き
叔父と同居することになる。時々壊れる教師、毒親、逃げ出したいが
夢もないこどもたちはとある冒険へ赴く。
誇張はあれど、現実でもありえるエピソードが連なる。
周囲の面々はごく普通の人に描かれているが主人公及びその身内は
落書きの鳥のようなフォルムになっているのが特徴。
だが、感情表現は大げさなほどで少年の心理をこれ以上になく描写しているように思う。
あと簡易絵鳥にしたことで著者の作品独特のエグさが若干薄らいでいる気もする。
内容はとにかく濃い。読むとほんとにウツっぽくなりそうに濃い。
登場人物たちの持つままならない心情の描写がリアルだと感じるからなのか。
読み手に何かしらの爪痕をたてていく傑作なんだろう。
浅野いにお
ヤングサンデーコミックス全13巻 / 小学館
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★☆☆