こいのことば 緑のルーペ 

こいのことば
緑のルーペ

エロ漫画家の青年と女子中学生の複雑でやるせない恋愛模様を描いた物語。
自身の状況に憤りもあるが諦観しつつ作品を描くエロマンガ家の青年と、
家庭内がうまく行っていない女子中学生。
女子は青年の部屋に寝泊まりし二人は一線を越える関係だった。
彼女は彼を愛し、彼は甘えるように彼女を愛する。
どちらも置かれた環境が芳しくなく互いを慰め合う共依存ぽい関係か。
二人の出会いと交流、各々の家庭・学校・仕事のエピソードも織り交ぜていくドラマ。
女子側の同級生から疎まれるエピソードは、当人がほぼ関係ない経緯の
思春期の少年少女の諍いからの状況ってのがリアルな上にシビア;
女子側の事情はどれもほんとにやるせねええ。
絵柄は可愛くて好み。行き止まり感が強い心情描写と話の構成が丁寧。
閉塞的というか気怠げというかな雰囲気は古典文学のようだなあとも。
太田出版のタイトルらしいっちゃらしい。
全面的なハッピーエンドというよりほんの少しの救いみたいな終わり方も印象深かった。
青年向なのでH描写もあるのだがセンシティブな雰囲気がせつない。
こういう話を読むと稲垣潤一のやったら長いタイトルの曲を思いだすん。

緑のルーペ / 太田出版全1巻
ジャンル:青年・恋愛・ドラマ / 好み度:★★★☆☆