ワンダーラビットガール 廣瀬ゆい

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主人公は家庭でも学校でも居場所がない劣等生でドルオタ男子。双子の兄は優秀で人望も厚く主人公とは顔はそっくりなのに正反対。だが兄は弟の主人公にとても優しく主人公も兄を尊敬し慕っていた。そんな中、兄の精神が壊れ入院する事態が起きる。茫洋として反応が薄いがある条件で錯乱を来す状態。
兄が呟いたワンダーラビットガールという言葉と、兄の病室にあったUSBに入っていた兄の学校の女生徒と彼女らの性癖のリストから、兄を病に至らせたのはこのリストの中の「ワンダーラビットガール」だと判断、主人公は兄になりすまし、リスト内の女性と接触しワンダーラビットガールを探すことに、というはじまり。
見た目は兄と似ているのでなんとかごまかしつつリストの女生徒たちと接触を図るがどの女性も特殊な性癖持ち。彼女らが興奮する状況を作り主人公はほぼ手をつけることなく彼女らを絶頂に導き手がかりを得ていく。生の女子を目の前に本来の目的を失って兄に謝りつつ己のリビドーに従おうとするも女子側が一人で完結しておあずけ見たいな展開がいろんな意味で印象深い。えろ描写は妄想(という逃げ道)でかんなり濃い。絵柄と絶妙な画面構成なのかがっつり青年向けより薄味に感じる不思議。
兄に告白してフラれている女性ばかりでそれを知っての心の叫びを含め、主人公のモノローグが特徴的な一人ボケツッコミだし、けっこうゲスいというか欲に忠実なキャラなのが面白い。まあヒロイン達も主人公に負けず劣らず思い込みが強いモノローグだけど。
話の根幹はサスペンスだし登場人物たちは真面目というかシリアスだけど読み手から見るとほぼギャグに見える作風。それにしても世には様々な性癖があるんだなあ・・。
とにかく一風変わったキャラ描写と台詞回しが見所。他作者を引き合いに出すのはアレだけど河田雄志原作の漫画のテイストによく似ている。氏の原作漫画が面白いと感じればハマる話だなと感じた。
ネタバレになるが主人公が追いかけている推しアイドルも登場する。1巻目での伏線に気付かなかったよorz

廣瀬ゆい
ジャンプコミックスSQ全7巻 / 集英社
ジャンル:少年・サスペンス・青春 / 好み度:★★★☆☆