横浜の消防署出張所に所属する紅一点の女性消防員を主人公にした消防士物語。
同名小説のコミカライズのよう。
主人公は殉職した消防士の父親の影響で消防士となるというはじまり。
消防隊員の日頃の訓練内容や出動時の作業諸々を丁寧に描写したお仕事物語であり、
一人の女性が圧倒的に男性ばかりの職場で働く成長物語であり、
職場内で主人公への害意を示す人間が誰か、というのと
火事が発生するに至る人間模様などを描くミステリでもある。
一覧にすると要素が多く濃い内容だが原作が良いのかとっちらかず
どの要素もきちんと読みやすい構成なのはさすがというべきか。
訓練の厳しくも弱音の吐けない環境。そして男社会ゆえの
セクハラな叱咤とかはリアルちゃリアル。
まあ徐々に先輩達に認められたりと成長ものとしてもきちんと段階を踏んでいる。
物語を盛り上げるためだとしても、犯人が主人公のボンベ細工って
どうなん・・とは思うが。
ミステリ要素も多分にあるので消防士という業界に興味がなくとも
結末まで一気に読めてしまう内容かと。
原作:佐藤青南 / 作画:上遠野洋一
バンブーコミックス全2巻 / 竹書房
ジャンル:青年・業界・ミステリ /好み度:★★★☆☆