人の良い青年は格安で借りた部屋で見えないカノジョと同居している。そんな非日常的な日常を描く物語。
人が良いというかおんぼりとしているというか癒やし系というかな青年が主人公。その素朴でゆったりとした気質が周囲に好まれ、なにげにモテる大学生。そんな彼には、その行動からどうも同棲相手がいる雰囲気。しかし彼が帰る部屋には誰も居ない、というか見えない、なぜなら同居人はその部屋に棲み着いた幽霊なのだった。
主人公が入居当初は幽霊女子は迷惑なポルターガイストを起こし続けていたが、主人公の方向性がちょっとズレた文句からの和解。仲良くなったふたりは同棲と共同生活の境目的な風情でそれなりにいっしょに暮らしている日常を描いていく展開。
主人公の、人当たりが良く人が良い、いい意味で鈍いところがある絶妙のキャラ設定が物語を面白くさせている。一方で幽霊の女子はいろんな意味で女子で可愛いキャラ。ポルターガイスト?と器用に使い家事・雑事を行うとか、ボードで意思疎通するとか、細々した生活設定が良い。
あと主人公の「同棲相手」に興味津々の友人達、主人公に惚れていてまめにおすそわけをもってくる同じアパートの住人女性など、脇役のキャラの動かし方もうまい。
青春・恋愛ものって苦手なノリの話が多いのだがこちらは本当に読みやすいというか心にすとんと入る話だった。日常系に見られるまったりさとカノジョの状況からのシリアス展開も、押しつけでない自然な作風が活きている。
モリコロス
ゼノンコミックス全8巻 / 徳間書店
ジャンル:青年・恋愛・コメディ / 好み度:★★★★★