奇行と暴言を繰り返すメンタル弱くて面倒くさい中年男性漫画家と、その姿を見て反面教師で育った彼の小学生の息子の日常コメディ。
一応漫画家として職を持っているものの、突拍子もない持論と行動で周囲を困らせるめんどくさいタイプの父親を持つ小学生男子が主人公かな。
母親は見切りをつけて家を出ていっており、父親の奇行をずっと見ていたせいか反面教師的にあらゆる物事に対し達観した風情がある。駄々をこねる子供のような父親を諭す息子の図による逆さまギャップを肝とするコメディのよう。父親の言動には正直イラッとするが息子のいなす対応に天晴さを感じる。
父親の作品に対する冷静かつ的確な批評はすごい。そしてそれがわかる父も愚鈍ではないようだが・・。
また息子は漫画家などの系統の世界に入りたくないと思いつつ、片思いの同級の女子は父親よりの気質のようで苦労が絶えない設定も巧い。あと息子とはベクトルで落ち着いているアシの男性のキャラも印象深い。
自分の欲に忠実で我慢しないダメ親父ではあるが全方位クズというわけでもないあたり、じゃりん子チエの鉄っちゃんを思い出す。傍から見るといい父親の面もあるのだが現実だとなかなか厳しいよなあ・・。
室井大資
ビームコミックス全2巻 / エンターブレイン
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★☆☆